データ分析・統計調査レポート
業種別 Googleクチコミ データ分析──「件数」と「星」はどこまで信じられるか
弁護士・税理士・司法書士・クリニック・美容外科の都内1,609事業者のGoogleクチコミを、まったく同じ手法で収集・分析した一次調査の一覧です。「税理士」がもっとも額面注意、「動物病院」がもっとも分布が素直という、業種ごとの違いが見えてきました。
📐 このサイトの立場:各業種の良し悪しを評価するものではありません。マーケティング/データ分析の視点で、Googleクチコミという数字が業種ごとにどう振る舞うかを観察し、匿名集計のみを公開します。
🔬 NEW・全国版 大規模フォレンジック調査
Google口コミは本当に信頼できるのか?──弁護士業界65,000件のフォレンジック調査
全国6,652事務所・口コミ65,000件・投稿者60,747人を悉皆分析。操作の76%は平均★4.6の「精巧型」。一次データ公開・全国弁護士事務所ディレクトリ付き。 ▶ 読む
業種別 指標の横断比較
業種別 Googleクチコミ指標(都内サンプル・2026)
| 業種 | 事業者数 | 件数中央 | 偏在ジニ | 星平均 | 捨て垢疑い | ★5率 |
| 弁護士 | 204 | 12件 | 0.7 | 4.14 | 36% | 81% |
| 税理士 | 224 | 6件 | 0.78 | 4.64 | 46% | 95% |
| 司法書士 | 209 | 4件 | 0.79 | 4.74 | 45% | 91% |
| クリニック | 197 | 48件 | 0.69 | 4.02 | 21% | 70% |
| 美容外科 | 207 | 96件 | 0.69 | 4.23 | 31% | 75% |
| 整骨院・接骨院 | 194 | 150件 | 0.54 | 4.8 | 40% | 87% |
| 歯科 | 179 | 77件 | 0.58 | 4.55 | 38% | 81% |
| 動物病院 | 195 | 59件 | 0.42 | 4.39 | 10% | 69% |
捨て垢疑い=生涯クチコミ1件かつ非ローカルガイド(中央値)。各業種名から詳細レポートへ。数値は“疑い”を示す統計指標です。
各業種の詳細レポート
考察コラム(仮説)|サクラ口コミ市場の経済構造と、検出の限界
以下は実測データではなく、観測から導いた解釈です。断定ではありません。
なぜ捨て垢の多い業種と少ない業種があるのでしょうか。操作に使われ得るアカウントの「質」は、業種ごとの事情で変わる可能性があります。
ひとつはGoogleによる削除(消込)の強さです。医療に近い領域ほど審査は厳しいと言われ、安価な使い捨てアカウントは削除されやすく、生き残るのは履歴のある“作り込まれた”アカウント——という淘汰が働くのかもしれません。実際、クリニックや動物病院では使い捨て投稿の割合が低めでした。
もうひとつは単価です。1件の取引額が大きい業種ほど1件の集客が生む利益も大きく、手間のかかる(高コストな)アカウントに投資する合理性が生まれます。相場の決まった業種では、そこまでのコストはかけにくいのかもしれません。つまり「消込の強さ × 単価 × もともとのクチコミ量」で観測される姿が変わる、と読むことができます。あくまで可能性の提示です。
そして根本的な難しさがあります。作り込まれたアカウントは、普段クチコミを書く一般の人と見分けがつかないように作られます。私たちが「本物か作為か区別できない」のと同じ壁に、はるかに多くの情報を持つGoogle自身も直面しています。だからこそ、わかりやすい不正は削除されても、巧妙なものは残り続けます。さらに、私たちが見られるのは「削除を生き残った後」のクチコミであり、見える痕跡は試みられた量の一部にすぎません。
クチコミの件数や星は、こうした見えない力学の上に成り立っています。数字をそのまま信じず、その背後を一歩引いて見ること——本調査群が一貫してお伝えしたいのは、この一点です。
M&A・事業承継の一次調査
公表資料(国税庁法人番号・官報・国交省・厚労省)を機械的に集めて集計し、誰も集計していなかった数字を出したレポートです。
- 運送会社はM&Aで、どこに買われるのか ―― 合併で消えた711社を法人番号データで調べた
国税庁法人番号データの合併711社を承継先と紐づけ。グループ内の再編を除いた第三者への承継267件では、承継先の52.1%が運送会社(車両は売り手の約3倍)、同一市区町村は22.8%。官報で財務を確認した53社に赤字11社・債務超過13社。許認可・行政処分682件の集計・労務リスクをAPPENDIXに収録。
- 小さい運送会社でもM&Aできるのか ―― 合併711社を規模で調べ、運送業許可の承継を条文で整理した
トラック10台以下でもM&Aの対象になるのか。官報の合併711社を国交省の許可名簿と照合し、規模を確認できた100社の車両数は中央値20台、10台以下が24%だった。運送業以外が買った場合は中央値15台とさらに小さい。あわせて株式譲渡・事業譲渡・合併・会社分割・相続で運送業許可の扱いがどう変わるかを貨物自動車運送事業法の条文から整理し、標準処理期間も関東運輸局の公示で確認した。
- 倒産と破産と自主廃業は、違う ―― 会社の終わり方を、法人番号と官報で調べた
倒産(民間集計・1万300件)と破産(破産法・法人8,804件)と自主廃業(登記統計・解散4万3,216社)。外側に休廃業・解散6万7,949件と登記閉鎖11万7,392社。倒産を回避して自主廃業できるのは債務を完済できる間だけ(会社法484条)。2025年の閉鎖倍増は2014年度みなし解散7万8,979社の10年後。官報に出る終わり方・出ない終わり方。
- 宿は、年に何軒売られているのか ―― 目黒区だけが公表している「承継」から調べた
統計の「旅館業の営業廃止2,817件」は廃業数ではない。東京23区で承継を月次公表しているのは目黒区だけで、15か月で新規25・廃止3・承継6(施設84に対し5.71%)。北九州・静岡・熊本・那覇の名簿を年またぎで突合すると、消えた宿の15〜23%は廃業でなく承継。承継率は自治体で7.6倍ひらき、回転が速いのは都心の小型施設。全国の宿の事業承継は年およそ500〜1,400件と推定。買い手には共立メンテナンス、大和ハウスリアルティマネジメントなどの実名。集計データをCSV公開。
- 破産した宿は、評判が悪かったのか ―― 旅館・ホテルの倒産・破産と口コミ・負債・稼働率を調べた
破産した宿43施設と、同じ町で営業している同じ業態の宿129施設の星の分布を比較。☆1は4.9%対3.4%、平均点3.68対4.07で差はあるが分布は重なり、破産側の23%は平均4.0以上。点数より大きいのは口コミ件数の差(115件対304件)。負債は最盛期売上の1.25倍=建設会社の破産の2倍。旅館の稼働率はビジネスホテルの半分で、赤字旅館は単価がむしろ高い。合併で消えた宿泊業251社と、承継前の口コミも収録。集計データをCSV公開。
- 宿は、誰に買われているのか ―― 合併275社と営業者交代113件、破産後に残った宿を調べた
宿が消える2つの経路を別々に集計。合併で消えた宿泊業275社の引き継ぎ先はグループ内117・その他事業会社95・同業45・不動産開発建設15。同一県は64.3%だが、同業が買った場合だけ県外26が県内19を上回る。2社以上を引き継いだ相手が40社・延べ104社(37.8%)。営業者が替わった記録は4自治体113件で、法人が買い手の74件のうち44.6%が複数件を引き継いだ9社によるもの。破産した宿の施設45件は閉業31・別運営で継続12。新会社を登記して事業を移す形の痕跡は見あたらず。集計データをCSV公開。
- 会社が破産すると、その後どうなるのか ―― 官報の破産公告 1万9,616社を調べた
官報の破産公告1万9,616社(司法統計の94%)の結末。4社に3社は配当ゼロの廃止・開始から130日。業種別廃止率は卸売48%〜サービス81%で売掛金・棚卸資産の比率と相関、合同会社89.6%。集会までは全国3か月、集会から廃止まで中央値19日、管財人6,596人に集中なし。集計データをCSV公開。
- 債務超過の会社は売れるのか ―― 合併で消えた約2,000社の「最後の決算」を官報で調べた
合併で消えた会社の、合併前最後の貸借対照表を官報で1,988社分そろえた。27.0%が決算時点で債務超過、グループの外に引き継がれた会社でも27.7%。決算が官報に出るのは合併日の中央値55日前で、会社法の合併公告の仕組みによる。比べる相手で見え方が変わることと、言えないことまで。
- 黒字でも会社をたたむのか ―― 清算で消えた株式会社123社の「最後の決算」を官報で調べた
清算結了で消えた株式会社の最後の決算を官報で123社分そろえた。42.5%が黒字、19.7%が債務超過。黒字の割合は合併で消えた会社や決算公告を出す会社全体とほとんど変わらず、違いは債務超過の割合に出た。休廃業・解散の「約半数が黒字」との違いと、言えないことまで。
- 町の酒屋は、誰が継いでいるのか ―― 酒類販売業免許1万件で見る新規・相続・事業譲渡
酒の販売免許の新規取得者一覧を全国12国税局・12か月分(10,932件)そろえた。新規の4割はコンビニ。屋号に「酒店」などが付く個人の店では、新しく免許を取った人より相続で継いだ人が4倍以上。免許の引き継ぎ方と、言えないことまで。
- フランチャイズ加盟店の「辞め方」 ―― 93チェーンの開示書面で見る出店・撤退・ロイヤルティ
本部の開示書面93チェーン分を読み、加盟店の出店と撤退、ロイヤルティ、加盟時の費用を数えた。撤退が出店を上回るチェーンは半分。閉店だけではない加盟店の抜け方まで。
- 障害福祉の事業所は、誰が運営しているのか ―― 13.6万事業所で見る運営法人の顔ぶれと、指定の引き継ぎ方
障害福祉の事業所13.6万を、運営法人で数えた。会社が6割、1〜4事業所の法人が9割、放課後等デイは上位10法人でも3%。指定は法人が変われば原則新規、実質的継続なら簡素化と実績の通算、という二段の仕組みと、引き継ぐ前に確かめることまで。
- 建設会社は、どう潰れるのか ―― 建設業・工務店の倒産・破産2,722社の負債・原因・日数と事業承継
官報の破産公告と倒産記事を法人番号で重ねた建設会社2,722社(2024年4月〜2026年9月)。許可業者483,823を分母にした県別の破産率は宮城・岩手・福島が10‰超。同じ年度の建設業許可の事業承継認可1,092件は破産1,116社と同じ桁。負債の中央値1.9億円、原因はコロナ融資返済31%・受注減25%・高騰16%、廃止まで159日。許可失効17,998に対し破産は6.2%。経審あり・建築・法人形態との相関、準則型私的整理と第二会社方式、29業種別の件数つき。集計データをCSV公開。
- 1店だけの店でも、M&Aされている
店がひとつだけの会社も、合併の相手になっています。合併で消えた飲食447社のうち第三者に引き継がれた185件では、引き取った側の施設数は中央値4でした(売り手は確認できた12法人のうち7法人が1施設)。飲食店の営業許可は、事業を譲り渡しても合併でも相続でも当然に承継されます(食品衛生法56条)。手続きは事後の届出だけで、期限は「遅滞なく」。宅建業・運送・旅館・医療法人など8業種と条文を並べて重さを比べた。国税庁の法人番号データから合併447社を調べると、承継先が判明した443社のうち58.2%が同じ企業グループ内の再編。第三者への承継185件では、引き取った側の施設数が中央値4で、51施設以上を持つ法人は3.4%だった。
- 薬局の買い手は、県の外から来る
薬局の買い手は県の外から来る。合併で消えた薬局580社のうち第三者に引き継がれた450社では、58.9%が県をまたぎ、引き取った側の店舗数は中央値24だった。薬局を引き継ぐとき、薬機法の開設許可と健康保険法の保険薬局の指定が別々に動く。薬機法の薬局の章(第4〜11条)には承継・相続・合併・分割の規定が無い一方、保険側の遡及指定は2026年9月1日に昭和32年以来の通知が廃止され建て替わった。「基本的には認める要件」7項目を通知の原文から整理し、合併で消えた薬局580社の承継先を法人番号データから集計した。第三者への承継450社のうち同じ市区町村は10.9%、承継先の店舗数は中央値24店舗。
- 介護の引き取り手は、近くにいる
介護の引き取り手は近くにいる。合併で第三者に引き継がれた介護の法人241件では、社会福祉法人どうしの86.6%、会社どうしの60.0%が同じ都道府県だった。介護の指定は事業所ごと・サービスの種類ごとに出されている。開設主体も特別養護老人ホームは社会福祉法人95.7%、訪問介護は営利法人73.2%と大きく違う。医療法人の合併では病院開設の許可が自動的に承継されるが、介護保険法に指定の承継を定めた規定は見当たらず、厚生労働省も「規定していない」としている。引き取った側の事業所数は中央値13(売り手は確認できた23法人で中央値2)。
- 事業は残る。免許だけが死ぬ
宅地建物取引業の免許は合併で承継されない。法人が合併で消滅すれば免許も消え、存続会社に残るのは前の会社が結んだ契約を結了する範囲だけ(宅建業法76条)。食品衛生法・旅館業法・貨物自動車運送事業法・医療法と条文を並べて位置を確かめた。国税庁の法人番号データから合併720社を調べると、承継先が判明した708社のうち65.8%が同じ企業グループ内の再編。第三者への承継242件では76.0%が同じ都道府県だった。
- 資本金300万円の会社でも、許可ごと渡せる
建設業の許可は2020年から、廃業せずにそのまま渡せます。譲渡・合併・分割・相続の前に認可を受ければ、譲り受けた側がその日に建設業者の地位を引き継ぎます(建設業法17条の2)。それでも令和7年度に承継の認可を受けたのは1,092件で、同じ年に許可が失効したのは17,998社でした。許可業者483,823社のうち個人と資本金3億円未満の法人が99.5%を占めます。合併で消えた建設会社657社を調べると、第三者に引き継がれた340件の44.7%が同じ市区町村の会社で、日本財務戦略センターが調べた11業種で最も高い割合でした。
- 整備工場を買った68社は、全部ちがう会社だった
整備工場は全国に92,384事業場、整備要員は402,025人で、1事業場あたり4.35人です。整備の認証は事業場ごとに出ていて、事業を譲り渡しても合併でも相続でも当然に承継され、手続きは30日以内の届出だけです(道路運送車両法82条・83条)。ただし民間車検場である指定自動車整備事業の指定には、承継の規定が条文に見当たりません。合併で消えた整備会社112社のうち第三者に引き継がれた68件を引き取ったのは68法人で、同じ会社が2回買った例は1件もありませんでした。
- コメ農家の撤退は「過去最多ペース」なのか ── 倒産・廃業の後、田んぼはどこへ行くのか
コメ農家の撤退は「過去最多ペース」と報じられました。帝国データバンクの発表を同じ時期で比べると、2026年1〜8月の32件は前の2年(約34件・33件)とほぼ同じ水準です。国税庁の法人番号データでは農業法人の清算結了が2025年に363社と10年で最多でしたが、法人の記録で見ると閉じた法人の9割は清算で、合併で引き継がれたのは1割ほど。農林業センサスでは経営体が5年で22.3%減る一方、耕地の減少は年0.8%にとどまり、20ha以上の経営体が耕す面積は49.7%に達しました。米60kgの生産費は0.5ha未満27,217円に対し50ha以上9,978円。農業法人を引き継ぐ形(合併・事業譲渡・株式・借りて参入)と農地法の制約も整理しました。
- 不動産会社のGoogle口コミは信用できるか
全国の宅地建物取引業者68,788社・約59万件のGoogle口コミを調べました。口コミ件数の中央値は1件、約39%の事業者はゼロ件です。消費者が目にする口コミは市場のごく一部に集中しており、口コミの多寡が事業の実力を映しているとは限りません。件数・評点の分布、寡占の度合い、地域差を実数で示します。
- 経営管理ビザ改正|資本金3,000万円は「現金」だけを意味するのか
2025年10月16日施行の改正を、条文・改正ガイドライン・申請様式・Q&Aで確かめた。条文の文言は「事業の用に供される財産の総額」だが、入管庁は法人については払込済資本の額(資本金の額)又は出資の総額で判断すると明示。資本準備金・資本剰余金・利益剰余金は含まれず、給与や事務所維持費との合算も、複数社の資本金の合算も不可。個人事業主だけが投下総額で見る。雇用要件は新設ではなく「いずれか」が「いずれにも」に変わったもので、常勤職員に別表第一の外国人は含まれない。永住許可の要件(入管法第二十二条)は変わっておらず、変わったのは基準不適合の在留資格から永住へ進めなくなった経路。経過措置は2028年10月16日まで。剰余金・準備金は会社法450条・448条により現金の払込みなしで資本金へ振り替えられる(登録免許税は増加額の0.7%・最低3万円)。国会答弁も収録=3,000万円の根拠は会社標本調査 令和5年度の「欠損法人より利益法人が多くなる階級」、既存在留者で3,000万円以上は約4%(500万円が73.9%)、認定証明書の交付申請は改正前後で月平均約1,700件→約70件の約96%減、署名6万7千筆。在留者44,760人、売却・合併検討11.7%(東京商工リサーチ・299社)、業種別の資本金の薄さつき。集計データをCSV公開。
- 中国の金は、どの道を通って日本に来るのか|購汇枠5万ドルと在留資格46,781人を両国の条文で突き合わせた
中国側の個人外貨管理弁法実施細則と、日本の外為法・所得税法・銀行法・在留資格の条文を突き合わせた。個人の年度総額5万ドル(細則第二条)は上限ではなく書類の要否の境目で、資本項目の章には対外直接投資(第十六条・外貨管理局の核准)とQDII経由の金融投資(第十七条)の道がある一方、境内個人が境外の不動産を買うためのチャネルの条は無い。日本側は会社の取得が外為法第二十七条の事前届出(指定業種・コア業種)か第五十五条の五の事後報告、不動産は第二十条の資本取引として第五十五条の三の報告で業種審査は無い。非居住者から土地等を買うと買主に10.21%の源泉徴収義務(居住用かつ1億円以下は例外)。在留資格「経営・管理」46,781人のうち中国籍24,840人=53.1%、東京と大阪で57.7%。対内直接投資残高は中国4,832億円で香港の6分の1。旧要件500万円は年度総額の0.67倍、新要件3,000万円は4.00倍。地下銀行の罪名は外為法でなく銀行法第六十一条第一号。暗号資産の2021年通知は2026年2月6日の銀発〔2026〕42号で廃止済み。集計データ5本をCSV公開。
- 外国人は、日本で創業や買収の資金を借りられるのか ―― 東京都の専用制度は7件で終了、公庫のスモールM&A融資は8割が1,000万円以下
東京都の外国人起業家向け融資(限度1,500万円・2機関)は2024年3月に終了、実績は7件・6,050万円。公庫は案内ページに在留資格の要件が無く、チャットは永住者等に加え「経営・管理」も申込可と回答。公庫のスモールM&A向け融資1,685件は1,000万円以下が約8割・従業者5人以下が8割・約2割が協調融資。融資の前に「経営・管理」が資本金3,000万円・常勤職員1人・日本語B2を求める(2025年10月16日施行)。外国銀行支店57行の国別一覧をCSV公開。
- 外国人が日本の会社を買うなら、どの業種か|合併4,044件と国別データで考えた
国税庁の法人番号データから11業種4,044件の合併を抽出し、承継法人番号で買い手を特定した。合併で事業を引き取った側の規模は業種で桁が違う=薬局24店舗・介護13事業所・運送67台・飲食4施設(第三者への承継のみ・買い手は法人ごとに1回)。売り手は名簿から消えるため参考値にとどまる。合併で消えた会社は許可名簿からも消えるため、売り手の規模を確認できたのは運送14.0%〜建設0.6%にとどまる。宅建業は名簿の規模の列が実数として使えず除外。旅館は売り手側の照合ができておらず買い手側のみ。第三者への承継で買い手が同じ市区町村にいた割合は建設44.7%・介護40.2%に対し薬局10.9%・旅館29.1%=集約型/近隣型/小規模型の3つの型に分かれる。外国人の買い手に固有の制約を4つ(日本語への依存/許認可が人か施設か/自国の客を取れるか/資金の重さ)に整理し、対内直接投資・在留資格46,781人・外国人経営者調査は別の層だと分けたうえで、宿泊業は運営面の適合性が高い一方で資金面の障壁が大きい、という二面性の形で結論を出した。義務的事前届出は日本2,903件で英753・米261より多く、閾値も上場株1%で最も低い。集計CSV4本を公開(個社名なし)。
- 岐路に立つ日本の不動産ブーム|2026年からの下がる要因、上がる要因
国の成約データを全47都道府県で集計。2026年1〜3月期までに35都府県中12・173市区町村中62で中古マンションの成約単価が前年割れ(郊外と大阪の民泊地域から)。湾岸は5年でほぼ倍だが1億円未満は前年割れ。都心は円で+58%でもドルでは+7%。23区が下げたのは郊外の下落4割超と1割超の円高がそろった2008年・2011年だけ。英語・簡体字・繁体字版あり。
- 民泊は畳むしかない。ホテルは渡せる|ゼロ日規制と承継の条文の差
2026年7月15日の3省庁連名の技術的助言で、平成29年ガイドラインが「適切ではない」としてきたゼロ日規制が条件つきで容認された。既存の届出住宅にも猶予期間つきで及ぶ。その前から民泊は届出65,837件のうち23,767件(36.1%)に廃止の届出が出ており、大阪市は63.6%。ただし大阪市には別制度の特区民泊が7,929施設あり、廃止の届出は退出と同じではない。届出住宅あたりの宿泊日数は年換算で約107日、平均では上限180日に届いていない。決め手は規制の強弱ではなく条文の構造で、旅館業法には第三条の二(譲渡)・第三条の三(合併分割)・第三条の四(相続)の承継規定が3本あり、住宅宿泊事業法には「地位を承継」の語が本則79条に1件も無い。条例は区域にかかるので株式譲渡でも逃げられず、民泊は規制区域では誰が持っても営業できず、規制外でも事業譲渡では届出の出し直しになる。今回の規制は旅館業を対象としていない。1年あたりでは民泊の廃止の届出が現存の12.9%、旅館業の営業廃止が施設の2.9%で、行政による許可の取消は98,338施設に対して年26件。だから宿泊業に入るなら許可のある施設を取得する、という結論。集計CSV3本を公開。
- 赤字の施設は、黒字の法人の中にある ―― 全国の社会福祉法人 21,236法人を全数調査した
社会福祉法人21,236法人・施設64,469の全数調査。経常赤字33.3%に対し債務超過0.8%。赤字施設の48.6%は黒字とされる法人の中にある。ばらつきの86.1%は同じ法人の中のちがいで、全施設が赤字の法人は7.0%だけ。黒字と赤字を分ける最大の差は人件費ではなく建物で、年商の2倍を超えると56.4%が赤字。赤字施設の34.2%は減価償却を除けば回っている=建てた時点で決まっていた赤字。特養の損益分岐となる稼働率は93〜95%で、中央値94.3%はその手前。設備資金借入の実効金利は1.09%→1.30%。集計データをCSV公開。
- 日本M&Aセンターの経営者保証をめぐる件は、どこが問題だったのか ── 公表された事実と、ガイドライン・自主規制ルールから整理する
2026年9月に報じられた、日本M&Aセンターの担当者が経営者保証の未解除を隠そうとした件を、会社の発表と無料で公開された報道だけで整理した解説。成功報酬の見積もりを書面で示さなかった点、成約後の確認の仕組みとすり抜け、処分と調査の公表状況、M&A支援機関協会と中小企業庁の対応を論点ごとに並べ、特定事業者リストの仕組みと、中小M&Aガイドライン・協会の自主規制ルールに基づく売り手のチェックリスト(11項目)をまとめた。
- M&Aのトラブルは、誰に起きるのか
公開裁判例のうち会社・事業の売買に関係する110件を読み分けると、買い手が巻き込まれた判決43件・売り手28件・株主や債権者など37件で、仲介会社の判決は0件(国の登録取消し1・注意22、係属中の訴訟)。売り手・買い手・仲介会社・紹介した金融機関のどこで何が起きたかを図にし、保証の解除を決済と同時にするなど、会社を売る前に自分を守るためにできることをまとめた。2026年4月の金融庁の監督指針改正(保証の解除をクロージング条件に)も。
- 事業譲渡のトラブル・判例62件を分析――裁判で争われた7つの論点と注意点
- 公共工事の入札資格は、儲かるのか
大阪市の工事6,805件・札43万枚。2022年10月以降、1枚の札が落札につながったのは1.68%、入札した2,880社のうち950社は一度も落札していない。2022年9月までは札の平均が最低制限価格になり4件に1件がくじに。公開データで検出できる異常5種類は検出されず、入札回数と利益率は無関係、市への依存が深いほど利益率は低い。
- 公共工事の入札に、不正はあるのか|公開データから見える入札の影
前の記事の続編。加入者1人以下で年130回以上入札する会社が8社、入札価格が似た動きをする会社の組が39組(62社)。大阪市の参加制限のうち公開データで確かめられるのは連絡先だけで、39組では電話・FAX・代表者が同じ組は0。談合・関係会社・施工体制は公開データでは判定できない。
地域・社会の一次調査
公表統計(総務省の選挙結果・国勢調査・課税状況調)を機械的に結合して、地域の構成と社会の動きの対応関係を調べたレポートです。
企業価値評価の事例研究
似た取引の値段が公開されない市場で、ブランド・属人性・流動性をどう推定するか。産地ブランドの断絶と再興を実測データで追い、M&A の企業価値評価に引き直した研究です。