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日本財務戦略センターAIアウトソーシング事業部(ミツケタ)|クラシック音楽の調査

音楽学習者・奏者と聴衆の関係──楽器人口・吹奏楽35年・オーケストラ21年の実数で追う「時間差」

公開 2026.09.04/更新 2026.10.01/株式会社日本財務戦略センター
音楽学習者・奏者と聴衆の関係──楽器人口・吹奏楽35年・オーケストラ21年の実数で追う「時間差」

クラシック音楽の調査の一覧(オーケストラ・コンクール・楽器の値段・アマチュアの調査13本)

楽器店の数は減り、音楽教室の生徒は減り、吹奏楽部の加盟団体も減っています。一方でオーケストラの数は増え、総収入も増えています。この二つは矛盾しているように見えますが、公表されている一次資料を突き合わせると、一本の筋でつながります。これは「音楽業界全体が縮小している」という単純な話ではありません。本稿では、音楽業界を「楽器を弾く側」「音楽を聴く側」「その間をつなぐ事業者」に分けて、それぞれの人数と財布の動きを公表データで追い、需要構造がどう変わり、その変化がどのような時間差で現れるのかを見ていきます。

Table of Contents

本稿の結論

現時点で確認できるのは、「弾く人の減少が、そのまま直ちに聴衆の減少につながる」という構図ではありません。演奏人口や楽器市場の縮小と、オーケストラの聴衆の減少との間には時間差があります。プロオーケストラの入場者は2016年がピークで、コロナ前の2019年にはすでに減っていました。楽器店は数を減らしながら1店あたりは大きくなり、ピアノは物価上昇の中で値下がりしています。子供時代に楽器を習った人は成人後の直接鑑賞率が高く(相関)、演奏経験は将来の聴衆を作る入口である可能性があります。オーケストラは定期演奏会の外側の企画公演で客を集め、総数を支えています。

使った資料は、全日本吹奏楽連盟の加盟団体数(1990〜2025年)、総務省の社会生活基本調査(楽器の演奏の行動者率)、日本オーケストラ連盟の実績一覧(2007〜2024年)、経済産業省の生産動態統計、総務省の消費者物価指数、経済センサス、文化庁「文化に関する世論調査」、ヤマハ株式会社の統合報告書、そして主要オーケストラ各団体が公開している公演アーカイブです。推定を含む箇所は、その都度「ここは推定です」と書きます。

吹奏楽 加盟団体はどこが減ったか(ピーク年比・2025年)。職場-51.9%、小学校-34.2%、一般-16.1%、大学-14.5%、高校-8.0%、中学校-2.5%
図1 吹奏楽の加盟団体は、学校よりも学校の外側で減っている(全日本吹奏楽連盟「2025年度実態調査」より作成)

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<a href="https://ai.jfsc.jp/research/music-industry-players-and-audiences/">音楽学習者・奏者と聴衆の関係──楽器人口・吹奏楽35年・オーケストラ21年の実数で追う「時間差」|株式会社日本財務戦略センター</a>文章での出典表記:株式会社日本財務戦略センター「音楽学習者・奏者と聴衆の関係──楽器人口・吹奏楽35年・オーケストラ21年の実数で追う「時間差」」(2026年9月4日) https://ai.jfsc.jp/research/music-industry-players-and-audiences/
※ JFSCが集計・加工・分析した結果(集計値・集計表・図表・指標・分析と見解)は、この条件で引用いただけます。他機関(官公庁・調査会社など)が公表した数値や文章そのものは、それぞれの元資料の利用条件に従ってください。

第1部 弾く側——誰が楽器を持ち、誰が習い、誰が買っているか

楽器を演奏する人は10人に1人で、5年で0.7ポイント減った

まず母数を置きます。総務省統計局の「社会生活基本調査」は5年に一度、10歳以上の人に過去1年間の趣味・娯楽を尋ねる調査で、「楽器の演奏」をした人の割合(行動者率)は2016年の10.9%から2021年の10.2%へ、0.7ポイント下がりました。同じ調査の10歳以上人口(2021年 約1億1,240万人、2016年 約1億1,330万人)に当てはめると、楽器を演奏する人は2016年の約1,230万人から2021年の約1,150万人へ、5年でおよそ90万人減った計算になります。率と人口から本稿が概算した値で、調査票上の実数ではありません。

10人に1人という比率は、この後に見る吹奏楽部や音楽教室の縮小と比べると、まだ大きく崩れていません。ただしこの調査は2021年(コロナ下)が最新で、次回は2026年に実施されます。以下では、毎年数字が出る資料で、この母数の内側がどう動いているかを追います。

吹奏楽部は「学校が細っている」のではなかった

「学校の部活が減って、楽器が売れなくなる」という見立ては、現時点の数字とは合いません。全日本吹奏楽連盟の加盟団体数を1990年から2025年まで並べると、最も持ちこたえているのが中学校と高校で、崩れたのは学校の外側です。

部門 ピーク(年) 2025年 変化
職場 131(1998) 63 -51.9%
小学校 1,173(2013) 772 -34.2%
一般 1,785(2009) 1,498 -16.1%
大学 331(2010) 283 -14.5%
高校 3,823(2014) 3,516 -8.0%
中学校 7,214(2014) 7,032 -2.5%
合計 14,295(2010) 13,164 -7.9%

職場バンドは1998年の131団体から2025年の63団体へ半減しました。減少の大半(1998〜2019年で-47.3%)はコロナ前に起きており、これは人口動態ではなく、企業のクラブ活動や福利厚生が細った結果と読むのが自然です。一般バンド(社会人の市民吹奏楽団)は2009年がピークで、2019年までの10年間に9.6%減り、コロナでさらに落ちましたが、2022年の1,442団体を底に2025年は1,498団体へと、3年で56団体(3.9%)増えています。連盟はこの増加の主因を関西支部(直近5年で28団体増)と説明しています。減り続けているのは職場と小学校で、社会人の市民バンドは戻り始めている、というのが最新の形です。

つまり、これまで起きたのは「学校の外の演奏人口が細った」ことであって、中学校の吹奏楽部そのものは、加盟団体数で見る限りほぼ無傷でした。ただし、ここには重要な留保が付きます。その中学校の部活動を制度として変える動きが、いま始まったところです。神戸市は2026年9月から政令指定都市で初めて平日・休日とも部活動を地域クラブに移行し、京都市は2028年9月に学校部活動を廃止して有料の地域団体運営と無料の校内自主活動に二分する計画を公表しています。スポーツ庁・文化庁の「部活動改革の取組状況に関する調査」(2026年4〜5月実施、同年8月公表)によると、休日の部活動のうち地域クラブ活動へ移行済みまたは移行中のものは2025年度実績で17.5%(22,357部)、2026年度は27.8%、2027年度には38.2%になる予定です(母数はスポーツ10万部・文化芸術2.8万部の計12.8万部)。平日はまだ4.7%です。この調査は運動部と文化部を合算しており、吹奏楽部だけの数字は出ていません。

その代わり、連盟の2025年度実態調査に最初の兆しが出ています。中学校のコンクールでは、地域バンドとしての参加が前年の7倍、複数校の合同バンドが2.3倍に増え、合同を組む学校の8割は部員20人以下でした。小学生バンドフェスティバルでも地域バンドの参加が前年の2.75倍です。加盟団体数はまだピーク比2.5%しか減っていませんが、「学校単独では編成が組めず、地域や合同で舞台に立つ」形が数字になり始めた、というのが2026年9月時点の現在地です。

音楽教室の生徒は、毎年着実に減っている

音楽教室について、国内最大手のヤマハは統合報告書で国内・海外の生徒数を開示しています(開示が始まったのは2023年版からで、3年分しか遡れません)。

基準時点 国内 教室数 国内 生徒数 海外 生徒数
2023年3月 2,300 320,000 161,000
2024年3月 2,200 310,000 161,300
2025年3月 2,100 299,000 154,600

国内の生徒は2年で6.6%、教室は8.7%減りました。少なくとも公表されている3年間では、年3%強の減少が続いています。3年分しかないため、これだけで長期的な構造変化と断定することはできませんが、コロナ後の一時的な反動とは見えにくい形です。もう一社の大手である河合楽器製作所は、生徒数を開示していません。ファクトシートでは「楽器教育」が一つのセグメントで、内訳がありません。ただし同社の地域別売上には、2025年3月期に中国が前期比42.5%減という数字が出ており、中国の教育政策転換による鍵盤楽器需要の縮小を、ヤマハも統合報告書で同様に指摘しています。

楽器店は減ったが、残った店は大きくなった

楽器を売る側はどうでしょうか。経済センサスの産業小分類「スポーツ用品・がん具・娯楽用品・楽器小売業」(楽器単独の区分は公表資料にないため、この合算区分で見ます)を2016年と2021年で比べると、事業所数は22,347から20,601へ7.8%減、従業者数は7.3%減、一方で年間商品販売額は4兆5,067億円から4兆5,669億円へ1.3%増でした。1事業所あたりの販売額は9.9%増えています。店は減り、残った店の規模は大きくなった、という統合の形がそのまま出ています。

ただし、この「販売額+1.3%」は物価を差し引いて読む必要があります。2016年から2021年の総合消費者物価指数はほぼ横ばい(2020年基準で2021年は99.8)だったので、この期間の実質はおおむね+1.3%のままです。問題はその後です。2022年以降、総合CPIは102.3、105.6、108.5、111.9と毎年上がり、2026年1〜7月平均で113.2に達しています。名目の売上が数%伸びていても、それが物価上昇率を下回っていれば、実質では縮んでいます。

ピアノCPIと総合CPIの推移(2020年=100)。ピアノは2024年120.5をピークに2026年105.8まで下落、総合は113.2まで上昇
図2 ピアノの物価指数は2024年を境に下がり、2026年には総合を下回った(総務省「消費者物価指数」2020年基準より作成)

ピアノは、インフレの中で値下がりしている

消費者物価指数には「ピアノ」という品目があります。楽器で単独の指数があるのはピアノだけです。その動きは、総合とはっきり分岐しています。

年 総合CPI ピアノCPI
2020 100.0 100.0
2022 102.3 104.5
2024 108.5 120.5
2025 111.9 114.8
2026(1〜7月) 113.2 105.8

ピアノは2024年に120.5まで上がったあと、2年で105.8まで下がりました。総合が同期間に108.5から113.2へ上がり続けているので、総合で割り戻した実質の指数は111.1から93.5へ、およそ16%の下落です(付録F)。インフレ局面で高額耐久財だけが値を下げる、というのは需要の弱さを示唆する信号です。

これを台数の側から確かめるため、経済産業省の生産動態統計「楽器月報」を見ます。2025年のピアノは生産22,532台、販売25,684台、販売金額246億1,800万円で、1台あたり単価は約95万8千円でした。2026年1〜6月は販売12,840台・単価約97万2千円で、年率に直すと台数はほぼ横ばい、単価は+1.4%です。同じ期間の総合CPIは+1.2%上がっているので、ピアノの値上げは物価上昇にちょうど追いついているだけで、台数は伸びていません。

興味深いのは電子ピアノです。同じ統計で2025年の販売は122,697台・単価約7万9,900円、2026年上期は年率換算でほぼ同じ台数のまま、単価が約10万円へ25.3%上がっています。普及価格帯では値上げが通り、高額帯では通らない。「高級財だけがデフレの直撃を受けている」という形が、公式統計の中に出ています。

なお、生産動態統計は2025年と2026年上期の2年分しか取得できておらず(それ以前の年報は取得時にアクセス制限にかかりました)、長期の台数トレンドは本稿では示せていません。ここは今後の補強点です。

中古市場が語る「ギターと管楽器の違い」

楽器店の実売在庫を横断的に見られるサイトであるデジマートで、2026年9月4日時点の在庫を集計しました(実店舗が出品する中古・新品で、個人間取引は含みません)。

エレキギター 管楽器
中古在庫 10,864件 1,882件
新品在庫 40,575件 30,953件
中古比率(中古÷新品) 26.8% 6.1%
1日あたり新規出品 133件 8件
在庫が一巡する日数 約82日 約239日

ギターの中古市場は、新品市場に対して管楽器の4.4倍の厚みがあり、3倍近く速く回転しています。ギターは何歳からでも始められ、買い替え・買い増しが文化として定着していて、1本の楽器が何度も持ち主を変えます。管楽器は吹奏楽部で1本買って卒業まで使い、中古市場に流れる量が少ない。この違いは店の収益構造に直結します。中古が回転すれば、そのたびに小売側に取引が発生しますが、メーカーの売上は最初の1本分だけです。メーカーや小売の粗利率を実測したわけではないので「儲かる・儲からない」とまでは言えませんが、ギターでは中古流通による反復取引が小売側に発生しやすく、管楽器ではそれが起きにくい、という構造の差は在庫の数字から読めます。参考までに、同じサイトの弦楽器(ヴァイオリン等)の中古在庫は198件、中古比率2.9%で、この流通経路をほとんど通っていないことが分かります。ヴァイオリンの価格構造については別稿で詳しく扱いました。

吹奏楽部が支えている市場の大きさ(ここは推定です)

中学校の吹奏楽部が、楽器の市場としてどれくらいの大きさなのかを、公表値だけから組み立ててみます。加盟7,055団体(2024年度値。2025年度は7,032団体で0.3%減なので、以下の推定値は実質的に変わりません)、平均部員30人と置くと約21万人。ヤマハの学校標準モデルの希望小売価格(フルートYFL-212 99,000円、クラリネットYCL-255 115,500円、アルトサックスYAS-280 176,000円、トランペットYTR-2330 96,800円、トロンボーンYSL-350C 192,500円、ホルンYHR-322II 341,000円、ユーフォニアムYEP-321 330,000円、チューバYBB-105 429,000円)を、50人編成の一般的な楽器構成比で重み付けすると、生徒が個人で持つ楽器の加重平均は約13万3千円、学校備品として共有される大型金管は約35万9千円になります。

個人購入の新品(毎年の入部者のうち新品を買う比率を20〜50%と幅を持たせる)、学校備品の更新、修理・調整の工賃、リード等の消耗品を積み上げると、中学校の吹奏楽部だけで年間およそ47億〜92億円、中央値で68億円という規模になります。このうち新品楽器が61%、工賃と消耗品が39%です。

この39%が重要です。工賃と消耗品は毎年発生し、メーカーではなく管楽器を扱う店と修理工房に落ちる売上で、管楽器専門店にとっては他の商品では代替しにくい継続収益です。吹奏楽をやらなかった子がギターを買うことはあり得ますが、その売上は管楽器専門店には来ない。業界全体の統計が伸びていても、業態単位では純粋な喪失になります。この推定に使った前提(部員数、新品購入率、備品の更新周期)はいずれも実測ではなく、幅を持って読んでください。

第2部 聴く側——オーケストラは増え、客は減った

日本オーケストラ連盟 加盟団体数と1団体あたり年間入場者の推移。団体数は29から40に増加、1団体あたり入場者は132,759人から98,064人に減少
図3 加盟団体は29から40に増えたが、1団体あたりの入場者は26%減った(日本オーケストラ連盟「オーケストラ実績一覧」各年版より作成)

総収入は増えた。しかし分け合う団体がそれ以上に増えた

日本オーケストラ連盟が毎年公開している「オーケストラ実績一覧」から、正会員・準会員の合計を2007年から2024年まで追いました。総収入は255.4億円から290.9億円へ13.9%増えています。この数字だけを見ると、プロオーケストラの事業は成長しているように読めます。

しかし同じ期間に加盟団体は29から40へ38%増えました。1団体あたりで見直すと、収入は8.81億円から7.27億円へ17.5%減、年間入場者は132,759人から98,064人へ26.1%減です。パイは少し大きくなりましたが、切り分ける人数がそれ以上に増えた。オーケストラという「箱」は増え、一つひとつの箱は痩せています。

年 団体数 総入場者 総収入 1団体あたり入場者 1公演あたり入場者
2007 29 3,850,034 255.4億円 132,759 1,080
2016 36 4,340,769 271.2億円 120,576 1,127
2019 38 3,692,555 260.6億円 97,172 1,022
2020 38 1,319,207 234.8億円 34,715 —
2022 40 3,523,539 287.4億円 88,088 889
2024 40 3,922,598 290.9億円 98,064 989

聴衆のピークは2016年で、コロナは起点ではない

総入場者は2016年の434万人がピークで、コロナ前の2019年にはすでに369万人へ14.9%減っていました。コロナは加速要因であって、減少の起点ではありません。第1部で見た一般バンドの減少開始(2009年)と、プロオーケストラの聴衆ピーク(2016年)の間には7年のずれがあります。

2020年の数字は、この事業の財務構造を露わにしています。入場者は前年比64%減ったのに、収入は10%しか減っていません。公的支援と民間支援が衝撃を吸収したためで、自主財源比率(演奏収入÷総収入)は2007年の58.2%から2024年の54.7%へ緩やかに下がっています。オーケストラは、チケット収入だけで立っている事業ではありません。

2024年の「回復」は、下げ止まりと読むべきです

1団体あたりの入場者は2022年の88,088人から2024年の98,064人へ11.3%戻り、2019年(97,172人)をわずかに上回りました。この点だけ見れば回復です。しかし2019年自体が2016年比で19.4%落ちた水準であり、2024年は2016年比でなお18.7%下です。1公演あたりの入場者も989人で、2019年(1,022人)にも2016年(1,127人)にも戻っていません。ホールが埋まって戻ったのではなく、公演を増やして総数を積んだ形です。「回復」というより「下げ止まり」と読むのが正確だと考えます。

第3部 入口——弾く側と聴く側をつなぐもの

ここまで、弾く側の人数と聴く側の人数を別々に追ってきました。この二つは同じ人なのでしょうか。本稿の資料では、それを直接測ることはできません。ただし、間接的な材料が二つあります。

子供の頃の習い事別・2021年に文化芸術を直接鑑賞した人の比率。ピアノ・バイオリン等の楽器48.80%、習い事をしていない28.32%、回答者全体39.7%
図4 子供の頃に楽器を習った人は、習い事をしなかった人の1.7倍の比率で鑑賞に出かけている(文化庁「令和3年度 文化に関する世論調査」n=20,006より作成)

子供の頃に楽器を習った人は、大人になって1.7倍鑑賞する

文化庁の「文化に関する世論調査」(令和3年度、回答者20,006人)には、「子供の頃に習い事をしていたか」という設問があり、文化庁の研究官がその回答と、大人になってからの直接鑑賞(テレビや配信ではなく会場での鑑賞)の関係を集計しています。

子供の頃の習い事 2021年に直接鑑賞した比率 文化芸術活動を実践した比率
ダンス 63.23% 32.96%
コーラス・声楽 61.08% 36.23%
絵画・彫刻、陶芸・工芸 53.39% 21.93%
水泳・体操・野球等のスポーツ 48.88% 11.94%
ピアノ・バイオリン等の楽器 48.80% 14.16%
茶道・華道・書道等 46.52% 12.37%
学習塾・そろばん等 44.46% 10.41%
習い事をしていない 28.32% 5.38%
回答者全体 39.7% 10.0%

楽器を習った人の48.80%に対し、習い事をしなかった人は28.32%。差は1.72倍です。注目したいのは、スポーツ経験者も48.88%とほぼ同じ値になっていることです。野球やサッカーをやっていた子が、大人になって観客席にもグラウンドにも戻ってくるのと同じ構造が、種目を問わず出ています。子供の頃に何かに打ち込んだ経験が、大人になってからの鑑賞行動を押し上げる。

ただし、この数字の限界は文化庁自身が明記しています。これは追跡調査ではなく、同一時点の横断調査を習い事の有無で切ったものです。文化庁は「子供の頃の習い事の有無が大人になってからの文化芸術の直接鑑賞行動に影響を与えている可能性が高い」と書き、「追跡調査なども行っていくべきかもしれません」と続けています。習い事をさせる家庭は元々の文化資本が高い、といった交絡は統制されていません。相関であって因果ではない。本稿もこれを因果として扱いません。

業界最大手は、この論理に賭けている

もう一つの材料は、企業の行動です。ヤマハは統合報告書2025で、新興国における「スクールプロジェクト」(公教育への楽器演奏の導入支援)の意義を次のように説明しています。

新興国での楽器演奏人口の拡大は、楽器市場の拡大につながり、中長期的な需要創造、そして将来の当社の売上成長にもつながります。

国内についても同じ報告書に「学校の吹奏楽部、軽音楽部に対する活動支援によって、国内市場の活性化にも取り組みます」とあります。子供に楽器を触らせることが将来の市場そのものを作る、という前提に、業界最大手が実際に資源を投じている。文化庁の相関と、企業の事業前提。この二つが指しているのは、吹奏楽部や音楽教室の縮小は「楽器が売れなくなる」という直接の損失で終わらず、数十年後の聴衆が減るという遅い損失を伴う可能性がある、ということです。可能性、と書きます。実測ではありません。

第4部 縮小への二つの応答

応答その一:値上げ——普及帯では通り、高級帯では通らなかった

第1部で見たとおり、電子ピアノは単価を25%上げても台数を維持しましたが、アコースティックピアノは実質で約16%値下がりしています。ヤマハの統合報告書は、北米で「米国財政支援による管弦打楽器販売の特需は終了」、中国で「教育政策の転換により鍵盤楽器の売上が減少」と書き、注力先として「成長余地の大きなギター市場」を挙げています。メーカー自身の言葉で、管弦打楽器と鍵盤楽器の需要が弱く、ギターが強い、と整理されています。

応答その二:ゲーム音楽——ただし定期演奏会には入れない

聴く側の応答として、「クラシックの回路の外から客を連れてくる」試みがゲーム音楽やアニメ音楽のコンサートです。これがどの程度広がっているかを、各オーケストラが公開している公演アーカイブで実際に数えました。

NHK交響楽団の演奏記録アーカイブ(1926年からの全公演を曲目単位で収録)で、ゲーム・アニメ音楽の作曲家名と作品名を横断検索したところ、N響が単独のゲーム音楽公演を開いたのは2024年5月6日「N響 ドラゴンクエスト・コンサート」が初めてでした。それ以前は2002年・2003年の若者向け公演、2016年・2017年の夏の特別公演の中の数曲にとどまります。そして定期公演にゲーム音楽が乗った例は、1926年以来一件もありません。

東京都交響楽団のアーカイブ(1965年からの主催公演)では、ドラゴンクエスト関連が2005年から続いており、2023年の2件から2024年6件、2025年8件へ明確に増えています。2025年10月の創立60周年記念公演の一つに「すぎやまこういちの交響宇宙」が組まれ、2025年3月には久慈・郡山の地方公演に「ドラゴンクエストの世界」を持って行っています。ただし都響でも50件すべてが定期演奏会の外で、都響スペシャル、サラダ音楽祭、ファミリー向けの「OK!オーケストラ」、地方公演、ファン感謝祭に置かれています。日本フィルハーモニー交響楽団は「鬼滅の刃」を2021年に15公演、2022年に14公演、いずれも夏休みコンサートのツアーで演奏しており、ドラゴンクエストは一件もありません。ゲーム音楽は2023年8月23日の1公演で、植松伸夫氏によるファイナルファンタジーのオープニング・テーマを演奏した記録が残るのみです。ゲームよりアニメ、しかも時期が集中している、という別のパターンです。

主要オーケストラのゲーム音楽公演比率(2023〜2026年)。Osaka Shion Wind 25.3%、東京佼成ウインド24.3%、東京シティ・フィル23.3%、山形交響楽団13.5%、以下N響2.2%、読響・日フィル・東響・京響は0%
図5 ゲーム音楽の比率は団体によって0%から25%まで分かれる(各楽団の公演情報2023〜2026年を日本財務戦略センターが集計)

日本財務戦略センターが主要30団体の2023年以降の公演約5,200件を集計すると、ゲーム音楽公演の比率は0%から25.3%まで完全に分かれました。上位はOsaka Shion Wind Orchestra(25.3%)と東京佼成ウインドオーケストラ(24.3%)の吹奏楽団二つで、これは編成上自然です。オーケストラとして突出しているのが東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の23.3%と山形交響楽団の13.5%。一方、読売日本交響楽団、日本フィル、東京交響楽団、京都市交響楽団、新日本フィル、兵庫芸術文化センター管弦楽団は一件もありません。全団体合算では2023年2.4%、2024年3.2%、2025年2.8%で、2024年が山ですが、年による差より団体による差の方がはるかに大きい。「業界全体が2024年に動いた」のではなく、「一部の団体が専業的にやっている」というのが実態です。

第2部で見た「その他自主公演」(定期以外に楽団が自ら企画する公演)の1団体あたり本数は、2019年の19.8本から2023年23.2本、2024年21.0本へ増えています。定期公演(14.3本→15.1本)や依頼公演(60.3本→62.5本)より伸びが大きい。ゲーム音楽はまさにこの枠に入ります。2024年に1団体あたり入場者が下げ止まったことと、非定期の企画公演が増えたことは、時期として一致しています。因果までは言えませんが、定期演奏会という本体には手を付けず、その外側の枠で客を集めて総数を支えている、という形は各団体のアーカイブから読めます。

第5部 この構造が、楽器店・音楽教室の事業承継に意味すること

ここからは実測ではなく、以上の数字を事業承継とM&Aの現場から読んだときの見立てです。一般論として書きます。

第一に、業界統計は業態を見誤らせます。楽器小売業の販売額は名目で微増していますが、その中身はギター等の伸びと管弦打・鍵盤の縮小が打ち消し合った合計です。管楽器を主力にする店、ピアノを主力にする店、修理工房、音楽教室は、それぞれ別の需要に乗っており、「楽器業界は堅調」という平均値で評価すれば、譲渡価格も事業計画も外します。買い手は必ず取扱品目別の売上構成と、工賃・月謝など反復収益の比率を分けて見る必要があります。

第二に、統合はすでに進んでいます。事業所が5年で7.8%減り、1事業所あたりの販売額が9.9%増えた、という経済センサスの数字は、小規模店が退出して大規模店に需要が寄っていることを示しています。この動きの中で、地域の管楽器店や個人経営の教室が単独で続くのか、より大きな事業者の傘下に入るのかは、経営者の年齢と後継者の有無で決まっていく局面です。中小企業全般で後継者不在率が5割前後と言われる状況は、この業種でも例外ではないと考えるのが自然でしょう。

第三に、修理・調整・消耗品という反復収益は、承継の価値の核になり得ます。本稿の推定では、中学校の吹奏楽部由来の需要のうち約4割が工賃と消耗品でした。これは楽器本体と違い、在庫にある楽器の本数に比例して毎年発生し、新品が売れない年にも消えません。管楽器の修理技術者は育成に年数がかかり、地域に代替が少ない。地域の学校とのつながり(備品の保守契約、入部時の斡旋)を持つ店は、売上規模が小さくても、この反復収益の厚みで評価される余地があります。

第四に、時間軸は長いということです。第3部で見た文化庁の相関とヤマハの事業前提から置ける仮説は、今日の吹奏楽部員が30年後の聴衆であり、40年後の楽器購入者だ、というものです。これは因果データではなく、横断調査の相関と企業の事業前提から置いた仮説です。中学校の部活動の地域移行は今月始まったところで、その結果が音楽教室の生徒数や楽器の販売台数に現れるのは数年後、聴衆に現れるのは数十年後になります。いま数字に出ていないからといって、影響がないとは言えません。逆に、いま譲渡や統合を検討する側にとっては、この時差の中で判断することになります。

日本財務戦略センターは、業種ごとの許認可・収益構造・後継者事情を踏まえた事業承継の相談をお受けしています。楽器小売・音楽教室・修理工房のような、反復収益と地域のつながりに価値がある業態については、財務諸表の数字だけでなく、顧客基盤の年齢構成や学校との関係まで見た評価が必要だと考えています。業種別の事業承継のご案内もご参照ください。

調査方法と限界


付録:本稿で使った数字の全表

本文で触れた数字の元になる表を、加工前の形で置いておきます。いずれも公表資料から取得し、本稿で機械的に集計したものです。引用・再利用は出典を明記のうえ自由に行っていただいて構いません。

付録A 全日本吹奏楽連盟 加盟団体数の全推移(1990〜2025年・7部門)

本文の図1と第1部の表の元データです。2025年度実態調査(2026年公表)の値で、各年の部門合計が合計欄と一致することを確認しています。同調査では2017年・2022年・2024年の一部の値が前年版から改定されており、本表は改定後の値です。加盟団体のみの集計で、連盟に加盟していない部活動は含みません。

年 小学校 中学校 高校 大学 職場 一般 合計
1990 842 5,722 3,326 207 102 955 11,154
1991 864 5,804 3,372 214 105 999 11,358
1992 910 6,046 3,469 221 103 1,061 11,810
1993 927 6,173 3,520 247 105 1,133 12,105
1994 977 6,281 3,555 265 120 1,212 12,410
1995 1,054 6,396 3,591 290 129 1,387 12,847
1996 1,062 6,503 3,624 290 130 1,487 13,096
1997 1,050 6,570 3,639 299 130 1,557 13,245
1998 1,030 6,585 3,624 300 131 1,588 13,258
1999 1,011 6,611 3,633 308 129 1,647 13,339
2000 1,011 6,666 3,667 301 130 1,672 13,447
2001 969 6,719 3,688 310 131 1,707 13,524
2002 989 6,741 3,697 316 117 1,735 13,595
2003 984 6,791 3,710 312 114 1,778 13,689
2004 1,015 6,856 3,716 322 118 1,768 13,795
2005 1,050 6,895 3,744 315 108 1,774 13,886
2006 1,053 6,964 3,768 320 104 1,779 13,988
2007 1,079 7,058 3,781 326 98 1,779 14,121
2008 1,107 7,099 3,779 320 96 1,781 14,182
2009 1,119 7,142 3,776 320 95 1,785 14,237
2010 1,125 7,188 3,792 331 88 1,771 14,295
2011 1,114 7,195 3,792 330 86 1,748 14,265
2012 1,122 7,204 3,811 328 77 1,713 14,255
2013 1,173 7,192 3,810 323 75 1,692 14,265
2014 1,145 7,214 3,823 313 80 1,666 14,241
2015 1,147 7,213 3,805 301 73 1,649 14,188
2016 1,150 7,211 3,797 298 73 1,640 14,169
2017 1,115 7,206 3,802 299 67 1,645 14,134
2018 1,116 7,213 3,807 298 70 1,630 14,134
2019 1,083 7,208 3,781 302 69 1,614 14,057
2020 973 7,125 3,710 287 70 1,522 13,687
2021 941 7,138 3,688 287 69 1,452 13,575
2022 892 7,131 3,661 274 68 1,442 13,468
2023 840 7,086 3,616 281 66 1,472 13,361
2024 803 7,061 3,558 278 66 1,473 13,239
2025 772 7,032 3,516 283 63 1,498 13,164
部門 ピーク値 ピーク年 2025年 ピーク比
小学校 1,173 2013年 772 -34.2%
中学校 7,214 2014年 7,032 -2.5%
高校 3,823 2014年 3,516 -8.0%
大学 331 2010年 283 -14.5%
職場 131 1998年 63 -51.9%
一般 1,785 2009年 1,498 -16.1%
合計 14,295 2010年 13,164 -7.9%

付録B 日本オーケストラ連盟 加盟団体の実績(2007〜2024年)

正会員・準会員の合計です。同連盟が毎年公開している「オーケストラ実績一覧」から、総計行を機械抽出できた年のみを収録しています。2009〜2011年・2021年は書式が異なり抽出できませんでした。「1団体あたり」「1公演あたり」は本稿で算出した値です。

年 団体数 公演総数 定期 その他自主 依頼 総入場者 総収入 1団体あたり入場者 1公演あたり入場者
2007 29 3,564 416 784 2,358 3,850,034 255.4億円 132,759 1,080
2008 30 3,731 505 791 2,426 4,258,921 261.4億円 141,964 1,141
2013 33 3,806 521 820 2,448 4,247,990 270.3億円 128,726 1,116
2014 33 3,836 532 812 2,478 4,016,192 259.3億円 121,702 1,046
2015 34 3,938 552 833 2,533 4,237,110 266.0億円 124,620 1,075
2016 36 3,850 563 842 2,419 4,340,769 271.2億円 120,576 1,127
2017 36 3,810 578 814 2,411 4,293,484 264.0億円 119,263 1,126
2019 38 3,611 544 753 2,293 3,692,555 260.6億円 97,172 1,022
2022 40 3,963 616 808 2,539 3,523,539 287.4億円 88,088 889
2023 40 3,772 614 930 2,222 3,725,874 283.6億円 93,146 987
2024 40 3,965 603 840 2,500 3,922,598 290.9億円 98,064 989

付録C ヤマハ 学校標準モデルの希望小売価格と、編成比による加重(2026年9月時点)

第1部の市場規模推定に使った単価です。価格はヤマハ公式サイトの製品ページに掲載された希望小売価格(税込)で、各楽器で同社が販売する最も安価な標準モデルを採ります。「編成」は50人編成の吹奏楽部における一般的な楽器構成の目安で、これは仮定値です。

楽器 型番 希望小売価格(税込) 50人編成での本数 所有区分
フルート YFL-212 ¥99,000 8 生徒個人が中心
クラリネット(B♭) YCL-255 ¥115,500 12 生徒個人が中心
アルトサックス YAS-280 ¥176,000 5 生徒個人が中心
テナーサックス YTS-380 ¥253,000 2 生徒個人が中心
トランペット YTR-2330 ¥96,800 6 生徒個人が中心
トロンボーン YSL-350C ¥192,500 4 生徒個人が中心
ホルン YHR-322II ¥341,000 3 学校備品が中心
ユーフォニアム YEP-321 ¥330,000 3 学校備品が中心
チューバ YBB-105 ¥429,000 2 学校備品が中心

この構成比で加重平均すると、生徒が個人で持つ楽器は1本あたり約132,832円(37本分)、学校備品となる大型金管は約358,875円(8本分)になります。残る打楽器5人分は、個人が楽器を購入する対象ではないため推定から除いています。

付録D 主要オーケストラ30団体の公演構成(2023〜2026年)

第4部の図5の元データです。第三者の公演情報サイトに掲載された公演名を機械分類したもので、同サイトは自社のデータを「非公式・自動取得」と明記しています。一次資料ではありません。公演名にゲーム作品名・作曲家名が現れない公演は拾えていないため、実際の演奏機会より少なく出る可能性があります。

団体 収録公演数 ゲーム音楽 アニメ音楽 ゲーム音楽の比率
Osaka Shion Wind Orchestra 95 24 5 25.3%
東京佼成ウインドオーケストラ 74 18 1 24.3%
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 103 24 0 23.3%
山形交響楽団 170 23 0 13.5%
九州交響楽団 158 7 2 4.4%
東京都交響楽団 211 9 0 4.3%
広島交響楽団 137 4 0 2.9%
NHK交響楽団 325 7 0 2.2%
大阪フィルハーモニー交響楽団 181 3 0 1.7%
関西フィルハーモニー管弦楽団 148 2 1 1.4%
群馬交響楽団 175 2 2 1.1%
大阪交響楽団 183 2 2 1.1%
札幌交響楽団 194 2 2 1.0%
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 200 2 0 1.0%
オーケストラアンサンブル金沢 214 2 0 0.9%
日本センチュリー交響楽団 122 1 6 0.8%
東京フィルハーモニー交響楽団 439 3 3 0.7%
名古屋フィルハーモニー交響楽団 177 1 0 0.6%
日本フィルハーモニー交響楽団 348 0 0 0.0%
新日本フィルハーモニー交響楽団 296 0 3 0.0%
東京交響楽団 275 0 1 0.0%
読売日本交響楽団 271 0 0 0.0%
京都市交響楽団 176 0 0 0.0%
仙台フィルハーモニー管弦楽団 162 0 2 0.0%
兵庫芸術文化センター管弦楽団 159 0 0 0.0%
セントラル愛知交響楽団 107 0 0 0.0%
パシフィックフィルハーモニア東京 65 0 3 0.0%
中部フィルハーモニー交響楽団 45 0 2 0.0%
琉球交響楽団 24 0 0 0.0%
琉球フィルハーモニック 7 0 0 0.0%
年 収録公演数 ゲーム音楽の公演 比率
2023 1,459 35 2.4%
2024 1,361 43 3.2%
2025 1,373 38 2.8%
2026 1,045 20 1.9%

付録E N響・都響・日本フィルのゲーム音楽/アニメ音楽 公演記録

各団体が公式サイトで公開している演奏記録アーカイブを、作曲家名・作品名で検索した結果です。検索語に含まれない作曲家や作品は漏れます。同一プログラムを複数会場で演奏した場合は公演ごとに数えています。

NHK交響楽団(1926年以降の全公演を曲目単位で収録した演奏記録アーカイブより)

公演日 演奏会名 作曲家
1978-04-05 第13回N響ゴールデンポップス スクリーン名曲コンサート フェイン (すぎやまこういち)
1978-07-21 調布市市民福祉会館開館一周年記念 ’78調布サマーコンサート すぎやまこういち編
1980-05-28 第23回N響ゴールデンポップス ウィリアムズ、ジョン(すぎやまこういち)
2002-07-13 「イケるジャンClassic!」N響若者のためのコンサート 久石譲 & 木村弓 (和田薫)
2003-07-20 「イケるジャンClassic! vol.3」N響若者のためのコンサート 久石譲
2003-07-21 「ソニックシティ オープン15周年記念/NHKさいたま放送局 開局60周年記念」 久石譲
2016-07-30 フェスタ サマー ミューザ KAWASAKI 2016 久石譲
2016-07-31 N響ほっとコンサート 久石譲
2017-07-29 フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2017―プリンセス・オン・クラシックス すぎやまこういち
2017-07-30 N響ほっとコンサート―プリンセス・オン・クラシックス すぎやまこういち
2023-08-06 夏休み特別公演|夏だ!祭りだ!!N響ほっとコンサート 久石譲
2024-05-06 N響 ドラゴンクエスト・コンサート ~そして伝説へ…~ すぎやまこういち

1978年・1980年の「N響ゴールデンポップス」は、すぎやまこういち氏がドラゴンクエストを作曲する(1986年)前の、ポップス編曲者としての登場です。ゲーム音楽としての演奏ではありません。単独のゲーム音楽公演は2024年5月6日「N響 ドラゴンクエスト・コンサート ~そして伝説へ…~」が最初で、定期公演で演奏された記録は1926年以来ありません。

東京都交響楽団(1965年の創立以降の主催公演を収録したコンサートアーカイブより)

年 日付 公演区分・シリーズ名 公演名
2002 9/16(月) 14:00 共催公演 立川公演 立川シリーズNo.2
2005 9/25(日) 特別演奏会 都響創立40周年ファミリー・クラシックコンサート~ドラゴンクエストの世界~
2007 2/11(日) 14:00 共催公演 都響・調布シリーズNo.8
2007 9/23(日) 14:00 すぎやまこういちがやってきた! ~ヒット曲からドラゴンクエストまで~
2008 10/26(日) 14:00 【山形】都響×すぎやまこういちがやってきた!~ヒット曲からドラゴンクエストまで~
2008 2/23(土) 14:00 都響スペシャル すぎやまこういちがやってきた!~ヒット曲からドラゴンクエストまで
2009 9/21(月) 14:00 すぎやまこういちが、やってきた!~ヒット曲からドラゴンクエストまで~
2011 2/12(土) 14:00 都響メンバーによる室内楽トークコンサート Vol.6 《ブラス・クインテットの響き》
2011 7/31(日) 14:00 第13回都響とティーンズのためのジョイントコンサート
2011 9/17(土) 14:00 ドラゴンクエストの世界
2012 11/10(土) 14:00 都響メンバーによる室内楽トークコンサート Vol.13 《輝けるドラゴンクエスト》
2013 9/14(土) 14:00 ドラゴンクエストの世界
2015 7/21(火) 13:00 ティータイムコンサート《フルート二重奏》
2015 9/12(土) 14:00 ドラゴンクエストの世界
2017 2/27(月) 13:00 ティータイムコンサート《金管五重奏》
2017 9/17(日) 14:00 ドラゴンクエストの世界
2018 9/17(月) 13:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2018〔サラダ音楽祭〕 OK !オーケストラ 赤ちゃんOK ! 歌ってOK ! 踊ってOK !
2019 9/14(土) 11:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2019〔サラダ音楽祭〕 OK!オーケストラ~赤ちゃんOK! 歌ってOK! 踊ってOK!
2019 9/14(土) 15:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2019〔サラダ音楽祭〕 OK!オーケストラ~赤ちゃんOK! 歌ってOK! 踊ってOK!
2019 9/19(木) 19:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2019[サラダ音楽祭] スペシャルコンサート ドラクエ・シンフォニックコンサート in SaLaD
2020 9/5(土) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2020〔サラダ音楽祭〕 OK!オーケストラ〜赤ちゃんから入場OK!
2021 8/12(木) 11:00 [サラダ音楽祭] OK!オーケストラ〜赤ちゃんから入場OK!
2021 8/12(木) 15:00 [サラダ音楽祭] OK!オーケストラ〜赤ちゃんから入場OK!
2022 5/3(火・祝) 15:30 SaLaDスプリングコンサート 野音 de オーケストラ
2022 9/18(日) 11:00 [サラダ音楽祭]OK!オーケストラ
2022 9/18(日) 15:00 [サラダ音楽祭]OK!オーケストラ
2023 10/27(金) 19:15 [サラダ音楽祭] SaLaDプレミアムコンサート室内楽 新島公演
2023 10/28(土) 19:15 [サラダ音楽祭] SaLaDプレミアムコンサート室内楽 式根島公演
2024 10/27(日) 14:00 OK!オーケストラ in 多摩 武蔵村山公演
2024 11/9(土) 14:00 [サラダ音楽祭] SaLaDプレミアムコンサート 神津島公演(室内楽)
2024 5/3(金・祝) 15:30 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2024[サラダ音楽祭] SaLaDスプリングコンサート 野音 de オーケストラ
2024 8/4(日) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2024[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ in 多摩 東大和公演
2024 9/14(土) 11:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2024[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ〜0歳から入場OK!
2024 9/14(土) 15:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2024[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ〜0歳から入場OK!
2025 10/19(日) 15:00 創立60周年記念 都響スペシャル「すぎやまこういちの交響宇宙」
2025 11/16(日) 12:00 創立60周年記念 都響メンバーによる東京都現代美術館公演
2025 12/7(日) 11:00 ファン感謝祭(2025定期会員対象)
2025 12/7(日) 14:30 ファン感謝祭(2025定期会員対象)
2025 2/22(土) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2024[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ in 多摩 町田公演
2025 3/24(月) 19:00 東京都交響楽団 久慈公演 ~「ドラゴンクエスト」の世界~
2025 3/26(水) 18:00 東京都交響楽団 郡山公演 ~「ドラゴンクエスト」の世界~
2025 4/11(金) 19:00 都響スペシャル「ドラゴンクエストの世界」 ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
2025 6/17(火) 14:00 創立60周年記念 都響メンバーによる東京都庁展望室公演
2025 6/22(日) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2025[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ in 多摩 小平公演
2025 6/28(土) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2025[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ in 多摩 福生公演
2025 9/7(日) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2025[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ in 多摩 小金井公演
2026 2/11(水) 14:00 [サラダ音楽祭] SaLaDプレミアムコンサート室内楽 瑞穂町公演
2026 4/2(木) 19:00 都響スペシャル「ドラゴンクエストの世界」 ドラゴンクエストVI 幻の大地
2026 7/11(土) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2026[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ in 多摩 立川公演
2026 7/20(月) 14:00 TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2026[サラダ音楽祭] OK!オーケストラ in 多摩 武蔵野公演

全50件が定期演奏会の外側にあります。都響スペシャル、サラダ音楽祭(東京都の音楽祭)、0歳から入場できる「OK!オーケストラ」、室内楽トークコンサート、地方公演、ファン感謝祭、そして2025年10月の創立60周年記念公演がその内訳です。

日本フィルハーモニー交響楽団(1957年4月以降の過去の演奏会一覧より)

公演日 公演名 該当する曲目
2016-10-30 Amazon Japan presents スペシャル オーケストラ コンサート with 日本フィルハーモニー ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー J.ウィリアムス:『スター・ウォーズ』メインタイトル 久石譲:オーケストラストーリーズ『となりのトトロ』 J.シュトラウス:美しく青きドナウ ハチャトゥリアン:『仮面舞踏会』ワ
2023-08-23 落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクト VOL.7《帰納する音楽会》 その他会場 植松伸夫:ファイナルファンタジーより オープニング・テーマ 藤倉大:Open Leaves ** (承前啓後継往開来Ⅰ 日本フィルハーモニー交響楽団委嘱作品)[世界初演] 大栗裕:大阪俗謡による幻想曲 ヴィヴァルディ:《
2024-02-03 ご近所クラシック♪ ~日本フィルメンバープロデュースによる室内楽~ その他会場 予定曲 ・ピアソラ:リベルタンゴ ・ロジャース:サウンド·オブ· ミュージックより ・久石譲:ハウルの動く城メドレー ほか
2025-08-21 落合陽一×日本フィルプロジェクト VOL.9 東京公演《null²する音楽会》 サントリーホール ※映像演出付 團伊玖磨:祝典行進曲 武満徹:訓練と休息の音楽 −『ホゼー・トレス』より− 林光:国盗り物語 菅野祐悟:軍師官兵衛 久石譲:天空の城ラピュタ 坂本龍一:THE LAST EMPEROR 藤倉大:「Water
2025-08-30 落合陽一×日本フィルプロジェクト VOL.9 万博公演《null²する音楽会 supported by ローム 團伊玖磨:祝典行進曲 武満徹:訓練と休息の音楽 −『ホゼー・トレス』より− 林光:国盗り物語 菅野祐悟:軍師官兵衛 久石譲:天空の城ラピュタ 坂本龍一:THE LAST EMPEROR 藤倉大:「Water Mirror

加えて、テレビアニメ「鬼滅の刃」の楽曲を夏休みコンサートのツアーで演奏しています(2021年 15公演/2022年 14公演)。同一プログラムを各地で演奏したもので、公演数として数えています。日本フィルのゲーム音楽は2023年8月23日の1公演のみで、植松伸夫氏によるファイナルファンタジーのオープニング・テーマを演奏しました。ドラゴンクエストの演奏記録はありません。

付録F 消費者物価指数「総合」と「ピアノ」の推移(2020年=100)

総務省統計局の消費者物価指数(2020年基準)から、総合指数と品目別のピアノを並べたものです。楽器で単独の品目指数があるのはピアノだけです。2026年は1〜7月の単純平均です。

年 総合CPI ピアノCPI 差(ピアノ−総合) ピアノの実質(総合で割り戻し)
2020 100.0 100.0 +0.0 100.0
2021 99.8 100.0 +0.2 100.2
2022 102.3 104.5 +2.2 102.2
2023 105.6 111.1 +5.5 105.2
2024 108.5 120.5 +12.0 111.1
2025 111.9 114.8 +2.9 102.6
2026 113.2 105.8 -7.4 93.5

付録G 楽器カテゴリ別の中古・新品在庫(2026年9月4日時点)

実店舗が出品する楽器情報サイトの在庫を、カテゴリ別に集計した一時点の観測です。個人間取引は含みません。時系列ではないため、増減の判断には使えません。

カテゴリ 中古在庫 新品在庫 中古比率(中古÷新品)
エレキギター 10,864 40,575 26.8%
アコースティックギター 4,285 16,730 25.6%
ベース 2,999 14,307 21.0%
管楽器・吹奏楽器 1,882 30,953 6.1%
弦楽器 198 6,904 2.9%

中古在庫の新規出品ペースと回転日数は、エレキギターと管楽器の2カテゴリで計測しました。

カテゴリ 1日あたり新規出品 在庫が一巡する日数 中古の中央値価格
エレキギター 133件 約82日 ¥209,000
管楽器・吹奏楽器 8件 約239日 ¥69,800

付録H 中学校の吹奏楽部に由来する市場規模の推定(内訳)

第1部で示した推定の内訳です。加盟団体数7,055だけが公表値で、それ以外はすべて仮定値です。幅を持たせてあるのはそのためで、点推定として扱わないでください。

項目 算式 低位 中央 高位
個人購入の新品楽器 25万人 ÷ 3年 × 新品購入率20〜50% × ¥132,832 13.9億円 24.3億円 34.7億円
学校備品(一般楽器)の更新 7,055校 × 20本 ÷ 15〜20年 × ¥132,832 9.4億円 10.7億円 12.5億円
学校備品(大型金管)の更新 7,055校 × 5〜8本 ÷ 20〜30年 × ¥358,875 4.2億円 6.6億円 10.1億円
修理・調整の工賃 在庫34.4万本 ÷ 3〜5年に1回 × ¥15,000 10.3億円 12.9億円 17.2億円
消耗品(リード等) リード奏者13万人 × ¥12,000 + 他21万人 × ¥3,000 9.5億円 13.6億円 17.7億円
合計   47.3億円 68.0億円 92.1億円

新品楽器の販売が中央値で41.6億円(61%)、修理工賃と消耗品が26.5億円(39%)という構成になります。小学校・高校まで広げた場合は、加盟11,415団体・推定34.2万人として、合計は中央値で110.1億円になります。


関連する調査

本稿と同じ方法(公表資料と自社取得データを機械的に集めて並べる)で、弦楽器とオーケストラの周辺を五つ調べています。

出典

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<a href="https://ai.jfsc.jp/research/music-industry-players-and-audiences/">音楽学習者・奏者と聴衆の関係──楽器人口・吹奏楽35年・オーケストラ21年の実数で追う「時間差」|株式会社日本財務戦略センター</a>文章での出典表記:株式会社日本財務戦略センター「音楽学習者・奏者と聴衆の関係──楽器人口・吹奏楽35年・オーケストラ21年の実数で追う「時間差」」(2026年9月4日) https://ai.jfsc.jp/research/music-industry-players-and-audiences/
※ JFSCが集計・加工・分析した結果(集計値・集計表・図表・指標・分析と見解)は、この条件で引用いただけます。他機関(官公庁・調査会社など)が公表した数値や文章そのものは、それぞれの元資料の利用条件に従ってください。
執筆・調査:五十嵐 悠一(株式会社日本財務戦略センター 代表取締役)。この記事は、もとは jfsc.jp のブログに掲載していたものを、2026年10月4日に企画調査としてこちらへ移しました。